大間違いだそうで

食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字 〈上〉 (光文社新書)

食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字 〈上〉 (光文社新書)

書店で二つ並んでいる様子がシュールで面白かったのでちょっとタイトルについて感想でも書いてみます。因みに買ったわけではないので内容には触れません。と言うか触れられません。とりあえずAmazonでは相当評価が高いので良い本みたいですよ。

第一印象としては、両方ともタイトルはインパクトあるけど滑ってるよね、といった感じ。何というか、狙いすぎなんですよね。上巻のタイトルは世間の常識と逆のことを書けば印象的だろうみたいな思考が見え透いている。あと命令形は良くない。で、その続刊が「大間違い」ときた。まぁ、前作以上に狙いすぎですよね。インパクトをあるタイトルにしようという意図が見え見えで鼻につく感じがします。

この作者の本で一番有名な本は多分「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」で、あれが売れたのは勿論内容がいいということもあるんだろうけど、少なくとも売れ始めたきっかけは間違いなくそのタイトルだと思います。このタイトルもインパクトがあり、言われてみればなぜだろうと疑問に思い興味を惹かれます。

で、両方ともインパクトに溢れている「さおだけ屋〜」と「食い逃げされても〜」から受ける印象の違いの要因は何処にあるんだろうか、みたいなことをグダグダ考えながらネットでちょっと調べてみたら、ここの記事を読んでいろいろ納得。ちょっと引用。

新書は装丁で違いが出せませんから、タイトル勝負なんです。売れる本のタイトルには2つのパターンがあるんですけど、ひとつは”共感を取りにいく”。ふたつめは、”斬新さを狙う”。

今回の場合は「さおだけ〜」は“共感を取りにいく”タイトルで、「食い逃げされても〜」は“斬新さを狙う”タイトルであるというところでしょうか。で、前者には素直に共感できて、後者には斬新さを狙おうという姿勢が前に出すぎているように感じられてあざとい印象を受けたってことですかね。少なくとも私の場合は。

まぁでも新書のタイトルというのはとりあえず目に留まるようにすることが最優先課題なんだろうから、これはこれで優れたタイトルなんでしょうね。会計の本だからといって「会計概論」みたいなタイトルにしたら売れないのは目に見えていますし。

ま、「よく売れることと万人に好まれることは必ずしも一致しない」みたいな結論で。