超鋼女セーラ外伝 超鋼聖女ベッキー

「超鋼女セーラ」のスピンオフ作品。微妙にネタバレあり。

超鋼女セーラ外伝 超鋼聖女ベッキー (HJ文庫)

超鋼女セーラ外伝 超鋼聖女ベッキー (HJ文庫)

ニーソックスの似合う極貧超能力中学生エクソシストと天使ロボ娘が悪魔という名の変態を退治する話。で間違っていない筈。まぁ要は本編の3年前の、絢乃とベッキーエクソシストとしての退魔録。セーラとラヴィニアもちょっと出演。しかし、エクソシスト設定って本編で出てきたときは普通に読み流してたけど、よく考えるとこの作品は何でもありだよな。超能力にロボに悪魔に東北ってどんな世界設定なんだ。
帯に「ハートフル対ド変態ストーリー」と書いてあるだけあって、出てくる悪魔がエキセントリックな連中ぞろいで楽しい(ハートフルの部分には正直疑問を呈さずにはいられないけど)。暴食を司る悪魔ベルゼブブに取り付かれた鈴瀬舞々香(べるぜぶぶか)さん51歳とか、意思を持つ至高の闇料理本「オフクロノ味コン」とか。あと、悪魔でもないのに変な人もたくさん。

しかし馬鹿だらけなのは賑やかでいいんだけど、作者の作風とは微妙に違う気がするなぁ。生粋のギャグ書きの作品とは違う印象を受けると言うか。地の文で笑わせるとかネタやら掛け合いやらで笑わせるとかよりも、とりあえず変なキャラを出してそれで笑わせようとしている気が。何というか「エンタの神様」みたいな感じかなぁ。まぁ、全編を通じて存在する変なテンションはそこそこ楽しい。

本編の主人公カップルが成立する前の話なので、どうにもLOVEが足りないのが難点かな。LOVEを求めてこのシリーズを買っていた身としては少々物足りない。まぁでもただの馬鹿話として読むと普通にサクサク読める。

あと、出番はほとんど無いけど、イラストの中学生セーラとラヴィニアの可愛さは異常。これだけで値段分はある。