「速読」で頭がよくなるすごい勉強法

タイトルが胡散臭い。B級臭がぷんぷんする。でも意外と(失礼)興味深い内容の本だった。

まず前提として、「努力によって無から有を産む発想ができるような天才になることはできないかもしれない。しかし、それまでに存在した事物や情報を巧みに組み合わせることによってあたかも無から有を生み出したかの如く他人の目には独創的に映る発想ができるような秀才になることは訓練しだいで可能である。」という考えがあり、本書では後者の秀才になる方法が述べられている。

で、その秀才になるためには、組み合わせるための情報をできる限り多く頭に詰め込まなければいけない。その方法が「速読」である。さぁ速読をできるようになろう、みたいな話。。あとは「いかに最小限の努力で最大限の成果を上げるか」とかもポイントかな。

速読法については、要は右脳を使えって感じ。やっぱり速読は結局右脳にいくのね。速読の本を読むと大概そういう話にいくんだけど、仕組みがイマイチよく分からないんだよなぁ。詳しく知りたければ脳の本とかを買うしかないのか。まぁこの辺りは特に目新しいことはなく、どこにでもある速読法といった感じ。因みに、勿論トレーニング法とかものってます。

読んでいて感心したのはむしろ速読以外の部分で、記憶の定着率をよくする方法とか第2外国語を覚える方法とかは目から鱗だった。英語の勉強法も、確かにそれならできるようになるだろうなと思った。

以下は蛇足。
個人的にこの本で面白いと思ったところは、本書の勉強法でなれる頭がいい人間の例として著者自身があげられているところ。普通はどこぞの成功した人や、考え出した速読法で頭が良くなった人を具体例とするところを、この本ではその例が著者自身だから猛烈な自慢臭がする。これは癇に障る人がそこそこいそう。慣れると次はどんな自慢がくるのか楽しみになるんだけど。まず、勉強時間が1日2時間、睡眠時間は10時間以上の生活で受験勉強の期間が半年で東大合格。から始まって、東大入試では全問解答後、2回見直してケアレスミスをチェックしてそれでも30分も時間が余った。とか、大学院の入試では2時間も余ってしまい、退席が許されないので暇をもてあました。とか自分以外の周りの東大生は要領が悪いのばっかりだった。とか、フランス語のテストで周りは零点付近でも自分は常に90点以上だったとか。最終的には、「自分は少しも頭が良くない、才能も無い、単に要領がいいだけだ。……まぁでも他人の目にはかなり頭がいい人間と映るらしいんですけどね!!」みたいな話になってて爆笑した。要は「頭がいい人間には訓練しだいで誰でもなれる。」ってことが言いたいんだろうけど、それにしても凄い自己アピールだ。楽しませていただきました。