とらドラ! 9

最早ラブコメとかそういう次元の話ではなくなってるよね。

とらドラ!〈9〉 (電撃文庫)

とらドラ!〈9〉 (電撃文庫)

他のラノベでは悪の魔法使いとか異次元からの侵略者とかと戦ってるのに、こっちだけ敵が「現実」ってのはちょっと厳しすぎるんじゃなかろうか。しかもこっちは魔法も超能力も使えないんだぞー。金のことで進路に悩む学生とか子供のために働きすぎて倒れる母親とか再婚する親との確執とか、重すぎるよ。別荘でわいわいやってたり水泳勝負をやってたりしていた頃が懐かしい。

でも考えてみれば、現実に対するコンプレックスや閉塞感は一巻の電柱暴行のシーンでも描写されていたことだから、これは来るべき時が来たってことなのかな。一巻では電柱に当たって不満を発散させることしかできなかったし今巻のラストでは二人は逃げ出してしまったけど、これまでの9巻分の時間の積み重ねは無駄ではなくて竜児達が現実に立ち向かう力を得るための糧になっていると思いたい。

あと、春田の彼女登場は番外編読んでなかったら相当な心的ダメージだったろうなー。